第38章 別つまで(AとO)
side.O
キラキラしてて、こんな良いひとは他にはいない。
背が高くて、細いけど鍛えてて、カッコよくてかわいい。
俺の、なんだよねぇ。びっくりなことに。
寝息をたて上下する胸に、ぴとっと耳をくっつける。
生きてるなぁって安心して。不思議と泣きそうになった。
ずっとを信じるのは怖いよ。
だって、俺なんかより人間が出来てるカンジだし。
お似合いのひとが、きっとどこかにいる。
譲るつもりも無いくせに、想像しては怯えてる。
いつか、が来るんだろうって。
「あいばちゃん……まさき、ココにいてね。なんて、ね」
バカみたいって思わず、ふふって笑う。
それで起こしてしまったのか、相葉ちゃんの手が頭に触れる。
自分の胸に押し付けるようにして、骨張った掌に力が入るのが分かった。
「くるしいよ、んふふ」
「ん、おはよ。おーちゃん………さとし?」
ありゃ、聞こえちゃってたか。
何となく恥ずかしくて、相葉ちゃんの服に額をぐりぐりした。
優しいから、俺のモヤモヤを知られたくなかったけど。
こうなっちゃったら仕方ない。
「ねぇ、相葉ちゃん。俺ね、離ればなれは嫌だよ」
言いながら体を起こして、顔を上から覗き込む。
面倒くさいって表情だったら、俺は駄目になると思った。
でも、その心配は要らなかったみたい。
俺を見上げて、相葉ちゃんが太陽みたいに笑ってくれる。
「大丈夫。死んでも離さないよ?誰にもあげない」
「ふふ、よかったぁ。俺といてね、ずっと」
頬を両手で挟んで、ちゅってキスを落とす。
間近で見てもやっぱりキラキラ。
しかも、飛び切りカッコいいし、とってもかわいい。
そういうひとが、俺のなんだもん。
自分で抑えきれないくらい嬉しくなって。
大好きってもっかいキスをした。俺の、太陽に。