第34章 別つまで(AとN)
side.A
可愛い顔が、台無し。
さっきからニノはつまんなさそうな顔でゲームをしてる。
慣れてはいるけど、偶には言ってくれれば良いのにね。
リーダーみたいには癒せないし。
翔ちゃんみたいに分かったりしないし。
松潤みたいに気を遣うとか無理だし。
でも大好きだから、言ってくれたら一緒に悩むのに。
あ、そういうのがダメなのかな?
餃子を包む手を止めて、首を捻る。うん、分かんない。
「ニノは何をイライラしてんの?」
「はぁ?」
眉間に皺を寄せて、睨んでくる。
こわいなぁ。だけど怖気づいてる場合じゃないや。
「オレさ、バカだから言ってほしいよ。解決は……出来ないけど」
「ふっ………あーあ、もう、ホントさぁ」
「ん、何なに?言う気になってくれた?」
くしゃって笑って、ニノは髪の毛をぐしゃってした。
お、可愛い。
向けられる視線から、さっきの棘が消える。
よかったなぁってよく分かんないけどそう思った。
「念の為に言っときますけど。浮気とかしたら殺すから、しないでね?」
「えぇ?何それ、いきなり。でも、うん、そうだね……オレも、そう思うよ」
信用してるけど、言いたいコトも分かっちゃう。
物騒な言葉の方が理解しやすいんだからしょうがない。
かわいくないニノだって、全部含めてオレのだし。
誰にも、あげない。あげるくらいなら、ねぇ?
原形を留めていないニノにして、その後であげるもんね。