第25章 頬の上なら満足感
side.O
目覚ましが鳴る前、自然と眠りからさめた。
ぱちぱちと瞬きをすると、愛しい顔がすぐ隣にあるのが見えた。
しあわせだなぁ、とぼんやりと感じて頬が緩むのが分かる。
「……おはよ」
寝顔を眺めていたんだろう、機嫌の好さそうな声で挨拶される。
やめろと言っても聞かないからな、コイツ。俺もそうだから強くは言えないけど。
恥ずかしいけど、俺と目が合って笑ったから、ゆるしてやろう。
寝起きから抱き締められるのも、頬にキスされるのも。
全部、俺だけの為なんだよな。そのことを、しみじみ噛みしめる。
ベッドから出たくないくらい、いい朝だなぁって。胸の辺りに顔をうずめたまま笑った。
「ふふ、おはよう」
「今日も愛してるよ」
あぁ、ホント、好き。こうやって言ってくれるのが、大好き。
嬉しくて堪らなくなって、腕の中から抜け出してキスをお返しした。
本当は、唇にしたいし。何なら、がっつりしたいけど。
ほっぺで我慢する。
仕事のときもずっと考えちゃうから、ダメなんだよなぁ。
松潤の方を見て、ニヤニヤしちゃうんだよね。
だから、お預け。
「ん、俺も愛してる……ふふふ」
今なら、砂糖の塊でも吐き出せそうだった。
いや、無理だけどさ。