第23章 手の上なら尊敬
side.O
眠りが浅かったのか、近付いてくる小さな音で目を開く。
すると、目の前に男前がいて少し驚いた。相変わらず、オーラとか凄いな。
「あんたは頑張りすぎなんだよ」
唐突に言われ、首を傾げると困ったような顔で笑われた。
そうして、松潤が自然な動きで俺の手にキスをする。
キザだとも思ったけど、しっくりくる。流石カッコいいな、とつい頬が緩んだ。
それはさておき、俺なんかよりコイツの方がよっぽど頑張ってるよなぁ。
いっつも寝てるヤツが言うのもなんだけど、睡眠は大事だし。なんて、思った。
だから、お返ししようと思い付いたんだ。
「それを言ったら、お前もだろ。寝ちゃえ」
若干ぎこちなかっただろうけど、真似をして松潤の手にキスをした。
そうすると、くしゃっと笑うから、思わず見とれてしまった。
だって、ねぇ?あまりにも、かわいいじゃない。
ぼけっとしてる内に松潤は隣に座り、俺の肩に凭れてきた。素直に、目を閉じて。
頼りない自覚はある。けど、こうやって、息抜きさせてやれてたら嬉しい。
傍にある温もりが心地好くて、何だかとても安心する。
これで良い、と満足した気分で俺も目を閉じたのだった。
後でメンバーに冷やかされたのは言うまでもない。