第62章 やきもち焼き
side.A
さらさらのシーツにさっぱりした体。
そう言えば、このひとは見かけより力持ちだったな、と。
数えきれないくらいシてるのに、毎回感動しちゃう。
変な話、スッキリしたのと怠いのとで最高に気分が好い。
そりゃ疲れてるけど、テンションは低くない感じ?
オレの胸に擦り寄って、リーダーが視線を寄越す。
さっきまで男くさい顔をしてたのが、まるで嘘みたいで。
また、どきりとする。
「何で、抱かせてくれるの?」
「いいじゃん。オレ、気持ち好いよ?」
「それはありがと。ただ単に、意外だなぁって」
ふふふ、と笑ってごまかした。
腕枕をするのはオレ。リードするのはどちらも。
で、抱くのは大野さん。
妙なことかもしれないけど、結構しっくりくるんだ。
多分、自覚してないだけで、普段かなり嫉妬してる。
それで、抱かれて解消してるんだと思う。
だってさ、優越感があるんだ。
”可愛い”はあげるけど、”男”のリーダーはあげない。
そんな風に思っちゃうんだ。
そしたら、ただでさえイイのが、もっと好くなるの。
全部がしあわせで満たされる。
「オレ以外、抱いちゃダメだからな?」
「当たり前じゃん。とういうか、相葉ちゃんしか抱けない」
「そっか!良かった、よかった」
オレが笑うと、リーダーが少しむくれる。
だから、ちゃんと言う。オレもリーダーだけだよって。
そしたら、すぐに返事の代わりに軽くキスされる。
額に、頬に、それから唇。
本当は、もっかいシたいなぁって思うけど。
明日も仕事だから我慢。それで、後で褒めてもらうんだ。
「しあさっては、オフだよな」
「うん。だから、いっぱい頂戴ね」
大野さんを抱き締めて、オレからもキスを贈って。
ゆっくり目を合わせてから、二人でおやすみを囁き合って。
それから、睡魔に身を任せる。うん、しあわせ。