第15章 再び城下へ
幸村は立ち上がって部屋の奥にある棚から団子の入った包みを取り出した。
『本当なら明日の分だけど特別だからな。あの2人の真似に免じて許してやる。直美、お前本当に怖いもん知らずだな』
この日の夜は幸村の部屋で3人、くだらない話で盛り上がった。
幸村の事も信玄の事も信長の敵だから悪い人だと思っていた……はずなのに。
2人を知れば知るほどそんな風には思えなくなってしまう。
(戦なんかしないですむ方法、ないのかなぁ)
考えても何も良い案は見つからず。
部屋に戻った後はお腹が満たされたおかげであっという間に眠りについたのだった。