第15章 再び城下へ
翌日。
部屋に運ばれた朝食を食べ終わると、景家が謙信の部屋に入って行くのを確認して部屋を出る。
(よし、見つかって絡まれないうちに出掛けよう!)
城の中にいても視線が気になって落ち着かないので適当に理由を作って城下に行く計画を立てた。
もちろん一人で城の外に出ることは許されていないので、誰かに一緒に来てもらわなければならない。
広間では信玄と幸村が武田軍と真田軍の編成について話し合っている。
(さすがにこの状態じゃ声はかけれないな…)
そうなると適任は一人しかいない。
真っ直ぐに佐助の部屋に急いだ。
『佐助君、いる~?』
声をかけるとすぐに襖が開いた。
『どうしたの?とりあえず入って』
部屋の中に入ると怪しい道具があちこちに転がっている。
『何これ!部屋で一体何やってるの?』
『ああ、新しい忍者道具の開発だよ。直美さんも一緒に作ってみない?』
現代人が部屋で忍者道具の開発をしているなんてビックリだ。
『あはは…よくわからないから私は遠慮しとくね』
『そうか、残念だな。今日は突然どうしたの?』
『あのね、お城にいても視線が気になって落ち着かないから外に出たくて。佐助君に一緒に来てもらいたいの』
『謙信様は景家さんと話があるって言ってたから鍛練に付き合わなくても大丈夫そうだな。よし、行こう』
こうして佐助を捕まえることに成功し、今日は2人で城下を歩く事になった。