イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第8章 エピローグ ~秘密の座談会~
ドサ!!
「ぎゃっ!!」
「きゃっ!?」
「おわっ!?」
自分の声だけでなく、どこからか聞こえた男女の声。
その声の主も気になるが、思いっきり、背中から落下したため、かなり背中が痛い。
「…………い、痛たたた………」
なんとかうつ伏せになって、腕を曲げれるだけ曲げ、背中を撫でようとすると
「………お前……何者だ……?」
ん?
頭上から聞こえる男の声。ゆっくり顔をあげると……
「ひ、秀吉さん!?」
な、なんで!?
「あ?なんで俺の名前、知っ……」
「秀吉さん、この女性の方とお知り合いかしら♡」
「なっ!?香菜!んな訳ないだろ!」
「へ?香菜!?私のキャラの!?」
笑顔と優しい声で怒りを表す、私の作品のお姉ちゃん『香菜ちゃん』
どうやら、秀吉さんが浮気か何かと勘違いしている模様。
「こんな怪しい女は知らない!!」
「でもこの女性は、秀吉さんのこと知ってるみたいよ?」
完全に誤解している。だけど、私の話は聞いてくれなさそうな雰囲気……
どうしようか考えていると……
「秀吉さん、香菜さん、落ち着いて。この方は香菜さんの産みの親のちぃーたんさんですよ。」
「「へ?産みの親?」」
突如現れた佐助くん。どうやら二人に事情を説明してくれている。
「なるほど。これが最後の指令で、最後の贈り物か。」
「はい?一体何の話?」
秀吉さんの言った言葉が理解出来ず、首を傾げる。
「では、ご協力頂いたちぃーたんさん。俺からのもう一つの贈り物です」
そう言って、赤いリボンでラッピングされた、ハートのチョコを佐助くんに渡された。
「最後の指令。家康公を探しだして、そのチョコを渡してください。渡せるまで、現代には帰れません。」
「はぁ!?佐助くん、一体何言ってんの!?」
「ヒントはありません。愛で探して下さい」
そう言って、佐助くんはどこかに行き
「早く行け。」
と作者に向かって邪魔物扱いをする秀吉さん。
「ゆ、夢なら覚めてーーー!!」
安土城に響きわたる私の叫び声。
泣きながら、私の家康しゃん探しがはじまり………
「……家康しゃん………どこ~………」
カフェで、寝言をこぼしていた。
~完~