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【A3!】聞こえる声は【ギャグ】

第1章 聞こえる声は


「んあっ……そ、そこは………ひゃっ!」
「お?ココか?」
「いひゃっ、いゃめ……!」

吐息交じりの嬌声が響く。最初は静かだった物に、段々と色が付いてきた。
だが声の主がどの様になっているのかは分からない。

何故なら…………



この声が壁の向こうから聞こえているからだ!!!!



「お……臣クン……」
「ひと段落したら苦情を言いに行こうか……」
「や、やっぱり万チャンとサンって……」
「そうなんじゃないか?」
「うぅ……流石万チャン……」

壁に張り付き聞き耳を立てる太一と、どうすればやんわりとした苦情を入れられるか頭を抱える臣。

事が始まったのは23時。太一がそろそろ寝ようとした時だった。甲高い声が壁から響き、気になって聞き耳を立てると、今の様な声がこだまして居る。
こう言ったことに免疫のない太一はパニック状態である。

そういうことって寮でするんスか!?然るべきところ……ってかどこか泊まりに行けばいいのに!!こっちも対抗して音楽流した方がいいのかな!?でもそれじゃ臣クン寝れないだろうし!!!ハッ、臣クンってばこんな状況でも冷静だよね!?凄い!!流石!!俺もそんな動じないオトコになりたいっス!!!!

……と、太一に思われている事など知りもしない臣は臣で、静かに混乱していた。

いやいやいや、いやいやいやいやいや、ダメだろう。流石にダメだろう。万里とさんがそういう関係ってのは否定しないけど、何でこんな壁の薄いところで致してるんだよ??十座との喧嘩ならいつもの事だと俺も太一も割り切れるけれど、これは流石にいけないぞ???音声だけ聞こえるこっちの気持ちも考えろよ……声だけだと逆に生々しいじゃないか……。

二人が悶々と考えている間に、およそ十分が経過した。すると、あれだけ激しかった嬌声がすっかり無くなった。しばらくしても声は戻らない。太一と臣は顔を見合わせ、隣の部屋へと向かった。
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