【ヒロアカ】血まみれヒーローと黒の少年【原作沿い男主】
第2章 黒い転校生
「気持ち悪くなんてないよ。よろしく、えっと……緑谷って、呼んでいいのかな?」
「! うん! よろしく!」
出久は差し出された手を握って元気よく答えた。赤い瞳が優しく細められてこちらを見る。先ほど感じた異様さが嘘のようなその柔和な雰囲気に、出久は失態を犯した不安が一気に払拭されていくのを感じた。間違いない。この人、とってもいい人だ。
挨拶が終わると、転校生は早速隣の切島に声をかけられ、そちらと話し出した。出久は今し方握手を交わした手をじっと見つめ、ふと思い当たる。
(あれ? 僕、自分の名前教えたっけ?)