• テキストサイズ

Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】

第5章 激情



遂に3日目が来た。
色々あったが遂に私はここまできた。

やったよ父さん!ラインブロックしてから何してるか分からないけど!

ナツはスキップしながら医院の裏口へ向かった。

この慣れた風景も今日で最後だと思うと、まったく寂しくない。
ベポに挨拶したら退職届をラミアの机に叩きつけて終わろう。

今日ラミアが出張なのはすでに把握済みだ。
その後はほとぼりが冷めるまで逃げるだけだ!

ナツは裏口から入ると、金輪際通ることもないだろう受付への道を足取りも軽く歩いていた。



「……よぉ」


ナツが受付に続く通路の角を曲がった時、そこに白衣の男が寄り掛かっていた。







「……」



ナツは数秒間固まった後、何事もなかったかのように来た道を引き返した。


「おい、無視とはいい度胸じゃねェか」


ナツが背を向けた瞬間、ローがその腕を掴み

ドン

そのまま壁に叩きつけた。


「…っは!すいません幻覚かと思ってもう一度入り口からやり直そうと…」


ナツは至近距離から浴びせられる視線を感じつつも意地でもそれに合わせまいと目線を逸らす。
ダラダラと背中を流れる冷や汗を感じながら、必死で言い訳を述べた。

こんな壁ドン嬉しくない。

身長差のせいでナツの身体は完全に彼に覆われている。
そんなほぼ真上から睨まれれば、誰だって流石にびびるだろう。


「……なぜ来なかった」


この状況をどう打開しようか頭を悩ませるナツの頭上から、ドスの効いた声が降ってくる。

ナツは一息付くと、ゆっくりと彼に視線を合わせた。


「寧ろなぜ来ると思った」


淡々としたその言葉と口振りに、周りの空気が凍り付く。

今日で最後だと思えば、この院長にそこまで怯える必要もない。
この人はもうすぐ、職場の最高責任者から赤の他人になるんだ。







そう、思っていたんだけど…





院長の口から低い笑い声が漏れるのを見て、ナツは早速先ほどの発言を後悔した。

彼の顔には、とてつもなく残忍な笑みが浮かんでいたから。

/ 347ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp