Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第2章 急展開
エミリアはナツの顔を探るような目で見つめていた。
取り合えず満足したらしい彼女はやっと出ていってくれる気になったらしく、廊下へと続く扉に手をかける。
「分かったならいいけど。あなたのお父上って確か中小企業の社長さんだったわよね?ふふっ。融資先に取引先、周りがそっぽ向けば簡単にぺしゃんこね。……転落人生なんて、嫌でしょう?」
顔はこちらに向けていなかったものの、その声のトーンは先程までより低くて
とんでもないお顔でそう仰ったんだろうなって思った。
彼女が部屋から出ていくと、それまで溜め込んでいた分のため息を盛大に吐きだしベットに横になった。
本当にこの病院はなんなんだろう。
普通じゃないのはもう分かってる。
だがそれにしたって異常だろう。
あれか。院長目当ての女の中に権力者が多いのか?
それに背後にはファミリーもいるし。
もうこれは、いい加減逃げたがいいんじゃないか?
十分頑張ったよ。半年という期間だったけど、繰り上げて定年退職してもいいくらい頑張った。
ラミアが怖いとか言ってる場合じゃない。
どうせ捕まっても百合的な展開になるだけだろ?上等じゃねぇか。
いや嘘ですごめんなさい勘弁してください。
取り合えず逃げよう。話はそれからだ。
ナツは瞳を閉じると、今後の逃走劇を練り始めた。
誰がどこで何をしでかしやがるか分からない。
用心するにこしたことはないだろう。
脳内で幾つかのパターンを組み上げては穴がないかと自主的に計画の見直しを行う。
失敗は許されない。
(本当にここは刑務所かよ…)
ナツはだんだん眠くなってきたので少し寝ることにした。
全ては後日、逃走するための体力を温存しておくために。