Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第10章 シュライヤ
「…ナツ、こんなところにいたのか」
ペンギンの住むマンションへお邪魔しようとしたところ、背後から声を掛けられた。
ナツが振り返ると、そこにはシュライヤが立っていた。
「シュライヤ先生、どうしたんですか?」
ナツは驚いた表情を浮かべて彼の元へ足を進める。
「いや、お前の荷物をどうしようかと思って探してたんだ。取り合えずバックだけ持ってきたけど」
そう言ってシュライヤはバックをナツに手渡した。
「あ、ありがとうございます!!めっちゃ助かります!!」
手元に戻って来たバックを確認して喜ぶナツ。
その様子を、ペンギンは面白くなさそうに見ていた。
「それで、荷物はどうするんだ?」
ナツがバックの中身を粗方確認し終わると、シュライヤは口を開いた。
背後にいるペンギンを振り返り、何かを考えている素振りのナツ。
正直財布と携帯さえあれば、わざわざペンギンの手を煩わせる必要はない。
「取り合えず荷物は明日でいいんじゃね?今日はもう遅いし、泊まってけば良いじゃん」
ナツが悩んでいるのが察知したペンギンは、先手必勝と言わんばかりにそれを提案する。
「おいおい、恋人ならまだ分かるが…彼女も一応女の子なんだぞ。そう軽々しく泊めようとするなよ…」
ペンギンの提案を呆れた表情でシュライヤは咎めた。
余計な事を言うなとでも言うように、目を細めて威嚇するペンギン。
2人の間で、不穏な空気が流れ始めた。
「そ、そうですよね。取り合えず今日はネカフェにでも泊まって…」
不穏な空気を察知したナツは、ペンギンの家に泊まることは止めたほうがいいだろうと結論付けた。
それはそれで微妙な表情をする2人に、ナツが気付くことはなかった。