Why大奥!?Trafalgar医院【ONE PIECE 】
第1章 出会い
色んな意味で有名な都内の総合病院。
その名はTrafalgar医院。
病床数も規模も群を抜いて大きなその病院は
全国各地から選りすぐりの医師が集い、最新の設備が充実した最新医療の最前線。
その医療の恩恵を受けようと、わざわざ患者達は遠方からこぞって足を運ぶ。
病院のベットは常に満床。患者が退院した日の内に次の患者が入院してくる。オペの予定も半年後まで埋まっているらしい。
その病院の繁盛具合は、実際にそこに足を踏み入れた事のない私ですら知っている程だ。
多くの腕利きの看護師と専門の医師が在籍するTrafalgar医院。
中でもトップに君臨する院長の腕はかなり凄いらしくて
彼のオペは人間業ではないと専らの噂だ。
“神の手を持つ男”とか言われてたりもするみたいで、そのレベルの高い医療を求めて海外からやってくる患者も珍しくはない。
ここまでだと
何が有名かって考えたら、その素晴らしい医療技術の高さだって思いますよね。
私も最初はそう思いました。
その病院の関係者には私の父の昔からの友人がいるみたいで
よく分からないけど、父の勧めで受付として雇われることになりました。
それだけ有名なら、働きたい人なんてむしろ有り余ってるんじゃないかって思ってたのに
父の友人の権限なのか、私の採用は意外な程すんなり決まります。
何故父が私にこの職場を勧めたのか
何故何の取り柄もない新卒の私があっさり採用されたのか
今考えればあの時既に
少しの違和感と不信感を感じていた気がします。
でも
その年の春、
桜が美しく咲き乱れる中学業を修了した私には
Trafalgar医院の給料の高さは魅力的過ぎました。
一瞬でも金に目が眩んだ私のその判断が
まあなんとかなるかという慢心が
後々己の身に降りかかる厄介ごとの発端になろうとは、この時の私は露程も考えてはいませんでした。