第14章 遙か3な世界へ・弍(薬師視点・八葉・白黒神子・白龍)
ああ、どうして。
何故このようなことに、なってしまったのでしょうか。
謙信様、私は今……“遙かなる時空の中で3”に酷似した世界へ、お邪魔しております。
おまけにどうやら、三草川の戦い終盤のようで。
ヒロインで白龍の神子である春日望美さん……彼女よりも先に、八葉である平敦盛さんに出逢ってしまいました。
そして、敦盛さんを拾おうとした私ごと望美さんに拾われて。
敦盛さんをBASARA技で見事に全回復させたら薬師としての腕前を見込まれ、源氏一行と行動を共にすることになりました。
「敦盛さん、具合はいかがですか?」
「ああ…あなたのおかげで、随分とよくなった。感謝する」
「いえいえ、よかったです。でも、まだ少し顔色がよくありませんね」
「いや、大丈夫だ」
「治ってすぐだというのに、長時間歩いたりしたせいでしょう……手を貸してください」
「…え、いや……私に、触れてはいけない」
「何故ですか?」
「…あなたが穢れてしまう、から」
「ああ、そういうことなら心配無用ですよ。私は望美さんと違って、まったく清らかな存在などではありませんから。――ということで、問題解決ですね。はい、手を出してください」
「し、しかし…」
「さあ、早く」
「……すまない、上杉殿」
「……い、いいえ。すぐに済みますから、じっとしていてくださいね」
運が良いのか悪いのか、よくわかりませんが。
とりあえず、衣食住を確保できました。
でも、その代わりといってはなんですが…安全面では酷く先行きが不安でございます。
これから京邸へ戻り、準備を整えてから熊野を目指すそうです。