第15章 -人の印象だけで決めてはいなけない-
なんてスルー出来るはずもなく……
「はぁ……」
「なんや浮かない顔やなぁ。抱きしめたろか?」
「…………」
「え、無視!?」
「……侑士気持ち悪ぃ」
よくぞ言ってくれたV字オカッパ頭君。
私はオカッパ君にだけドリンクとタオルを渡してあげた。
「ちょ、待ちーな!岳人だけズルいで!」
「チッ……しょうがないなぁ。セットで9万8千円になります」
「高っ!!」
何よ、金持ちのくせにケチくさ。
「それよりお前、名前なんて言うんだ?」
「私は瀬崎美琴。君は……舞衣字オカッパ君でしょ?」
「全然ちげーよ」
「じゃあオカッ、」
「だからちげーって!気持ち悪ぃ侑士と嫌々ダブルスやってる向日岳人だよ!!見た目で名前決めんじゃねー!クソクソ!」
「がっくんひどっ!」
低い身長を(私よりはでかいけど)懸命に飛び上がらせて、まるで小学生のような悪態を吐いた。そしてちゃっかり忍足のことを貶す。
しかし、飛ぶ姿可愛いな。足にバネとか内蔵されてんじゃないの?
「……なぁ、自分等俺を忘れてへん?」
あ、完全に忘れてた。てへっ
ゴンッ
「うぎゃ!!」
「何、遊んでるのかな?」
ひぃいいい……!真後ろに魔王が!それに今ラケットでボールぶつけたでしょ!
「ごめんね。手元が狂った(笑)」
「笑い事じゃない!」
「ん?」
「さぁもう一仕事してくるか!それではアデュー!」
このままここにいたら消される……頭の中の警報がけたたましく鳴り、私は逃げるように立ち去る。
あ、忍足にドリンクとタオル渡すの忘れた。……ま、いいか。