第14章 -大型犬は先輩にゾッコン-
「試合お疲れー。はい、ドリンクとタオル」
「あ!ありがとうございます!」
「サンキュ」
「セットで980円になります」
「高ぇなおい!」
そりゃそうでしょ。氷帝の分まで作ってあげてるんだから。
「宍戸さんにお金を請求するつもりですか……?」
ん?なんか黒いオーラが背中から見えるのは気のせいかな?
「気のせいなんかじゃないですよ」
「ですよねーははは。もちろんお金とか冗談っすよ旦那」
「そうですよね。冗談じゃなかったら俺、今持ってるラケットを振り回してたとこです」
「確実に暴行事件になるからやめて」
ただのワンコが今ので気品の良いドーベルマンになったみたいだ。こいつには関わらないようにしないと……私の死因がラケットによる打撲ですって診断されたら嫌だ。
「そういえば名前聞いてなかったな。俺は宍戸亮だ」
「あ、私は瀬崎美琴。悲しいことに立海のマネージャーをやらせてもらってるの」
「それは良かったですね。俺は宍戸さんとダブルス組んでる鳳長太郎です」
良かないし、なんで『宍戸さんと』の所を強調させたし。なんですか、モーホーですか。
「何か文句ありますか?」
「イイエトンデモゴザイマセン」
「そうですか。あ、ほら他の試合が終わりましたよ。ドリンクとタオル持って行ったらどうですか?セットで」
「アイアイサー!」
怖い怖い怖い……!
何が怖いってあのドス黒オーラもそうだけど、顔中宍戸さんと俺の仲を邪魔するなって書いてあったよ!ホモ怖いっ!
そして私はジャッカルと丸井のとこにドリンクとタオルを持って行き、違うコートに向かった。