第5章 ―天才的な甘党―
「おっ、仁王じゃん!何してんだよぃ」
また仁王か!お前は何処にでも現れるな!
「んー?なんじゃ、丸井か。って、そのお菓子どうしたんじゃ?」
「女子に貰ったんだよぃ。仁王にはあげないぜ?」
「いや、いらん」
そりゃそうだ。普通の女子でもカロリー気にしてそんなに一度に食べないよ。
丸井は仁王の隣に座り、両手いっぱいのお菓子を一つずつ大きな口へと運んでいった。
お、これはファンが歓喜する光景だ。一枚写真撮って売ったら儲かるんじゃない?
するとそんな丸井を見て、仁王がボソッと呟く。
「……デブ」
「っ!気にしてること言うんじゃねぇよぃ!」
ほぉ、丸井でも気にしてるんだ。
でももう遅いよね。
「俺だって痩せてぇ……このズボンに乗った腹を引き締めてぇよぃ」
「なんじゃ。丸井にしてはやけに真剣じゃな。……好きな奴でも出来たんか?」
ん!?まじ!?
「なっ!そういうんじゃねぇよぃ!」
「そう慌ててる感じが怪しいんじゃよ?」
「だから違うっつの!」
なんだ違うのか。せっかく『丸井になんと好きな人が!?』という記事で、発狂するファンの顔を拝みたかったのに。
結論、丸井はこう見えてお腹を気にしているが、女子特有の『ダイエットは明日から!』というように中々実行に移せない……っと。
写真は後で焼き増ししてファンに高く売ろう。