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【ハイキュー】制服の羽根【短編集】

第1章 ショートケーキ(月島)


高校も3年になって。
私の部活は夏で終わり。
蛍の部活は冬に終わり。
次は大学だね、2人とも地元じゃないから離れちゃうね、なんて2人で話をしてた。
蛍の部屋で蛍の好きな音楽を聴いて。
そんな2人の当たり前が、大学に行ったら今度こそ無くなってしまうんだなあ、と思ったら、寂しくて。

「ねえ、蛍?」

「、、ん」

「好きだよ」

ずっと意地を張ってた。
幼なじみなんてどうせ恋の対象にはならないって。
でも、このままなんとなくもう会わなくなるなんて、そんなの絶対に嫌。
近くにいて、ずっと近くにいたから、もう好きか嫌いか、なんてわからなくて。
でも、蛍の傍にいることがイコール私の幸せなんだって言うのは、とっくに知っていた。

「、、は?なんか言った?」

蛍はそのままそっぽを向いて、そんなことを言って。
私は真面目に言ったのに、かなりムッとした。

「、、意地悪」

意地悪意地悪、意地悪蛍ちゃんめ。
もう一度言わせるつもりなの?
わたし勇気出したのになあ。
ほんっとこういう時の底意地の悪さは、昔から変わっていない。

「、、もういいもん」

私もそっぽを向いて、怒ってるって伝えようとしたのに。
その前に蛍に手をぎゅっと握られて、驚いた私が彼の方を振り向くと、顔を真っ赤にした蛍がそこには居て。
なんだ、私ってちゃんと愛されてたんだ、ってどこか他人事みたいに思ったのが、今でも忘れられない。
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