第2章 制服の羽根（月島）

僕が君という人間に＿天使ひまりという人物に興味を持ったのは、きっと本当に偶然。たまたまだと思う。
むしろ僕じゃなくても良かったんじゃないか、なんて時々思うし、それを君に言ったりもするけど。
でも君は首を傾げて、ただそんなことないと思うよ、とお軽く寄越す。
君は運命という単語を使うのが好きで。
僕が君を見つけたのは所謂運命で、君が僕を見つけたのも運命というヤツらしい。
青春群像劇によく出てくる「運命」ではなく、彼女の場合はそれが紛れもない合理的な真実であることを知っているから、余計に質が悪い。
君に見つかってしまって果たして運が良かったのか悪かったのか未だによくわからない自分も。