第2章 招集された3人の作者
始まりは……11月某日
ある作者、三人の元に……
一通の同じ内容の手紙が届いた。
赤色の封筒に
緑色のハートのシール。
差出人『猿飛佐助』
恐る恐る中を開ければ……
天邪鬼を愛する作者へ
【12月1日。本能寺跡に、奇跡が待っている】
猿飛佐助
それを読んだ瞬間、
「へ?天邪鬼?…それに猿飛佐助って……え、リアル?」
不安に思いながらも、何故か惹かれる不思議な手紙。
捨てることもできずに、いつの間にか12月1日当日。
ギリギリまで、行くか行かないかを迷い、何度も手紙を読み返す。
意を決し、コートを羽織って、貴重品を鞄に詰め込み、ちぃーたんは玄関のドアを開ける。
ドアを開けると……
滅多に雪が降らないところに住んでいるのに、珍しく雪がチラついていた。
雪がチラつく中、ドアから車に乗り込むまでの一瞬で、かじかむ手。
急いでエンジンをかけ、車内の暖房が効くまで、かじかむ手を擦り合わせる。
暖房が効きだした頃、ナビで『本能寺跡』を設定し、ハンドルを握る。
どんな『奇跡』かわからないが、『奇跡』を求めて、車を走らせた…………