第4章 第4章
いつもみたいにソファーに座った
すばる「他に好きなヤツ出来ひんかったら待っててくれへんか?」
『待つことは、出来ひん。だって、すばるくん優しいから戻らなって思うやろ?2年で帰らなとか・・・やから、待てへん。』
すばる「そやな。お前のとこ行きたくなるかもしれんしな。」
『待つことは、しやんけど・・・もし・・・もしどこかで会ったら、その時は・・・』
すばる「そん時は、何が何でも離さんわ。首輪つけてでも、俺の傍に置いとくからな。」
『うん。そんな奇跡があったらね』
すばる「おん・・・やから、そん時は覚悟しとけよ」
『ひとつだけお願いしてもいい?』
すばる「なんやねん。」
『ロスに行く前に、barで一緒に飲みたい』
すばる「そんなもんいつでも行ったるわ」
ただ当たり前のように、過ごしたかった
「当たり前」が「当たり前」じゃなくなる
やからこそ今感じることが出来る
「当たり前」をしっかり感じたい
ロスへの出発前日-
いつも通り仕事を終わらせてbarに行った
しばらくして、すばるくんが来た
たわいもない話
当たり前の時間が、当たり前に過ぎた
マスターとも最後の挨拶を交わし
店を出て、すばるくんの家に行く
部屋に入ったら、ほとんど荷物が無くて
ただ布団だけが敷いてあった
『いよいよなんやな・・・』
すばる「おん・・・」
あたしは、いつも通りにすばるくんに抱き着き
すばるくんを感じた
翌朝もいつも通りに起きた
すばる「お前、仕事やろ?」
『うん。帰って着替えてから行く』
すばる「ほな、そろそろ・・・」
『うん・・・』
あたしは、バッグを持ち玄関に向かった
靴を履いてドアに手を伸ばした時
すばる「あん!!」
すばるくんに名前を呼ばれて振り返ると
腕を掴まれてキスをした
そして、お互い目を見て
「いってらっしゃい」
そう言葉を交わし、あたしはすばるくんの家を出た