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12色のアイ

第9章 愛のご奉仕


三月が喜んでくれているのが口の感覚から伝わってきた。
私が頑張れば頑張るほど三月のが口の中で大きくなる。
初めてだったし、味は…正直好きじゃない。
でも、三月にこんな顔をさせてるのは私なんだと思うと大き過ぎるほどの優越感で心が満たされる。
だから、こんなの飲むなんて余裕でしかない。
……我ながらいい性格してるよなって思う。
「ん、んく……三月の、いっぱい出たね……」
「ばっ、ばかっ!そんなもん飲むな!」
「もう飲んだもん」
口を開いて三月に見せる。
三月は「うわぁ……」とうなだれてしまった。
「だめだったかな?ネットには飲んだ方が喜ぶって書いてあったんだけど……」
「いや、だめじゃないし、あながちネットに書いてあることも合ってるんだけど………」
「けど?」
深いため息の後、三月が口を開いた。
「精液なんて元々飲むもんじゃないだろ?確かに飲まれるとちょっと……いや、かなり嬉しいけど、おまえが無理してないか心配なんだよ。飲んだことねぇけど、まずいだろ?」
「うん。全く美味しくない」
「即答かよ………」
「でも……」
私は三月に思いっきり抱きついた。
三月が痛いって顔をしかめるくらい。
「いつも三月によくしてもらってるから、その分私も三月をよくしてあげたい。無理なんかしてないよ」
「……百合ってほんと可愛いやつだな」
「ふふ。ありがと」
いつの間にか目があって、どちらからともなく唇が触れる。
小鳥のような軽いキスから甘く深いキスへ。
身体の奥がじんわりと溶けていくような気がした。
「………なぁ」
「なぁに?」
「オレもさっきのお返ししたい」
ごろりと上下が入れ替わる。
「次はオレが口で百合を気持ちよくしてやるよ」
そう言って笑う三月はどことなく大人びていて、テレビで見る可愛い三月とは別人だった。
「………じゃあ、アレ、しよう?」
「アレ?」
「うん。シックスナインってやつ」
一瞬沈黙が流れた。
「はぁ!?おまっ、そんなのどこで!?」
「ネット。体勢、戻すよ。私が上の方がしやすいでしょ」
またごろりと上下が入れ替わる。
「おまえさぁ……ネットでどんなこと調べてんの?」
「………フェラの仕方、キスのテクニック、行為中に男性が喜ぶ言動、騎乗位の仕方、身体のケアの仕方、とか?」
今度流れた沈黙はさっきよりも長かった。
私なんかまずいこと言った?
分からないや。
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