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12色のアイ

第25章 プレゼントはあなたで


「ぁ、あ、あ…っ」
噛まれっ…噛ま、れた…。
うなじがじくじくと痛む。
シーツが血で汚れるとか、どうやって噛み跡を隠そうとか、色々思う事はあるけれど、それ以上に…
「く、ふぁっ…ぁ、んんっ」
「ん?…ああ、そうか。気に入った?噛まれるの」
気持ちが良い。
痛いのが良いなんてただの変態だ。
でも、この痛みも龍が与えてくれたものだと思うと、甘い刺激に変わる。
「手、貸して?」
貸してと言われても力が入らない。
その事に気づいたのか、龍に軽く抱えられて仰向けに寝転がされる。
左手を取られて口に運ばれる。
力強く噛まれたのは薬指だった。
「え、ぁ…」
うっすらと血が滲む薬指の根本を眺める。
「もし、また忙しくなっても、この痕が消える前に会いに行くよ。今日みたいにたくさん愛して、薄くなった痕に上書きしてあげる」
私を甘い言葉の鎖が捕らえる。
この凶暴な愛を一身に受けられることが酷く嬉しい。
「最高の、プレゼントだわ…」
赤いリングがはめられた指にキスをする。
嬉しくて嬉しくて涙がこぼれた。
「泣くほど嬉しい?」
「う、んっ…!」
「俺に愛されるのそんなに好き?」
「うんっ…!」
「俺の愛は大きくて重いよ?大丈夫?」
「うん!」
今できる精一杯の力で龍を抱きしめる。
「…次、元気な時にもう一回して?もっと強く、苦しく抱きしめて」
龍の言葉にキスで答える。
「りゅう、足りない。足りないの」
首筋にキスをしながら言う。
「りゅうが、こんなことするから、もっと欲しくなっちゃって…奥がまだ足りないの。ね、りゅう、きて?おねがい」
「いいの?そんなこと言って。俺、体力には自信があるんだけど」
「いいの!幸せにしてもらったから、幸せにしたいの。寝ても覚めてもずっとしていよ…」
舌を絡ませた熱くて甘くて苦しいキスを交わす。
ずらりと全く萎えていない龍のが帰ってくる。
「あ、あ、ぁ、おっき、ぁ、ひうぅ…!」
「ん、はっ……欲しがりすぎ。きゅうきゅう締め付けてくるよ?かわいいね」
「ひ、ぁ、りゅ、すき、すき」
「今日すごいね。たくさん感じてる。かわいい」
両脚を掴まれて大きく開かれる。
「俺のこと、いっぱい幸せにしてね。…愛してるよ、百合」
息ができないほどの淫靡な空気の中、麻薬に等しい愛をあとどれくらい貰えるのか。
これ程幸せな誕生日は無いと確かに思った。
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