第3章 後悔、する?
「桃浜、大丈夫か」
熱い余韻で体を動かせないまま、伊豆くんの腕の中にいる。彼の体温が感じられる。ああ…なんだか凄く幸せだ…。でもこれも、薬のせいなのかな…。
薬?そういえば、まだ身体が熱い。頭も回らない。心臓が速い。絶頂に達したせい?あるいは…。
薬の効果、いつ切れるんだろう。先生はそんなこと、教えてくれなかった。
「おい桃浜。意識あるか。オレの指何本立ててるか見えるか…って、指凄いな」
伊豆くんの指は、私の愛液がトロトロにまとわりついて糸を引いていた。
ああ、伊豆くんの指、綺麗だな。長くて、しなやかで。あの指が、私の中に入って、私を気持ちよくさせてくれたんだ…。
「桃浜…おい、何してるんだ」
気づいたら、私は、伊豆くんの指にしゃぶりついていた。
「んっ…おいひ…よ…」
伊豆くんに絡み付いた粘液を舌で洗い流す。くちゅくちゅと音が響くのが耳に心地よかった。
「桃浜…」
「伊豆くん…私、ハァ、まだ…ダメみたい…。イったら…楽になれるって思ってた…けど。まだ…苦しいよ…」
「そうか…。オレ、役に立たなかったな」
伊豆くんが申し訳なさそうに言うので、私はぼんやりとする脳を必死で働かせ、彼の言葉をさえぎった。
「そんなこと、ないよ…!伊豆くんは、私のこと気遣ってくれたし、私のわがまま聞いてくれてるし、伊豆くんはすごいよ。私は嬉しいよ…」
伊豆くんは何も悪くない。悪いのは全部私なのだろう。薬に振り回され、伊豆くんの優しさにつけ込んでいる。わかっている、頭ではわかっているんだ。