第12章 いざ!出陣! 【12】
鶴丸はまた「なんでだー!?なんでだー!?」と騒いでいる。しかも、さっき手渡した一升瓶を大切に抱えて。
『(鶴丸面白いな。またあんなに騒いで大倶利伽羅さんに怒られるよ?)』
大倶利伽羅「国永!うるさいぞ!静かにしろ!」
『(ほらね?)』
鶴丸「伽羅坊!俺は一升瓶を渡されたんだぞ!?扱いが雑じゃないか!?」
大倶利伽羅「お前がうるさく騒ぐからだろう!」
それでも鶴丸は「なんでだー!?なんでだー!?」と騒いでいる。
『(仕方ない、後でお酌してあげよう。アノままじゃずっと騒いでそうだし。とりあえず三日月さんとこ行こう!)』
私は三日月さんの隣に座るとお酒を手にとり
『三日月さん、お待たせしました、どうぞ?』
三日月「おぉ、主、待っていたぞ?もっと近こう寄れ」
いきなり腰に手を回され引き寄せられた
『えっ?ちょっ!三日月さん!?』
三日月「主は暖かいな。」
『そうなの?自分じゃわからないな…』
三日月「そうだろぅ、主が放つ気が俺達の心を暖かくしている。」
そう話ながら私にお猪口を差し出してきたからお酒を注いであげると、クイッと一気に飲んでしまった。またお酒を注いであげると
『三日月さん?私が近くにいると落ち着くの?』
三日月「うん、そうだな。甘えたくもなるな」
『そっか、私に出来る事があったら言ってね?』
私はそう言って手に持っていたお酒をテーブルに置くと、腰に回されている手に自分の手を重ね三日月さんの背中を撫でながら少し俯いた
『(私の気が暖かいならこの気で三日月さんの傷が治れば良いのに…)』
するとなにやらホワリと体が暖かくなった気がした
三日月「っ!?主!?今何をした!?」
『えっ?何が!?えっ、えーー!三日月さんの傷が治ってる!?何で?どうして!?背中擦っただけだよ!?』
近くで見ていた人達も理由が分からす驚いていた。
『み、三日月さん…ちょっと立って?体動かしてみて?』
三日月「あぁ」
三日月さんは立ち上がると屈伸したり腕を回したりしてみたが
三日月「うむ、どこも痛くないな」
『えーー!何でー!?何でー!?』
もはや私が鶴丸状態だった