第23章 いざ!出陣!【23】
私は離れて行く二人の姿を見ていた
『…………………………』
小竜「ふられちゃったね?」
大包平「残念だったな」
鶯丸「ドンマイ」
『なんだと!?』
長義「ふっ、あははははっ!主?」
『えっ?あっ!はいぃぃぃぃ!』
長義君に突然笑われ主と呼ばれ逃げようとした私は、持っていたクッキーが入ったカゴは小竜君に取上げられ、両手は鶯丸さんと大包平さんに掴まれ逃げられなくなってしまった
『ちょっと二人とも離してよー!』
大包平「逃げるだろ?」
『逃げる!』
鶯丸「じゃあダメだな」
『いーやーだーー!』
掴まれている手を引いてみるが離してもらえるはずもなく
長義「主?」
『はいぃぃぃぃ!ちょっ長義君ごめんなさい!』
長義「いや、その落ち着いてくれないか?」
『だって!だって!さっきは掴みかかろうとしてごめんなさい!ぶん殴ろうとしてごめんなさいぃぃぃ!』
長義「それは俺が悪くて!俺の方こそすまなかった!」
長義君は思いっきり頭を下げた
『ぇえ!?何で!?ちょっと長義君、頭あげて?じゃあこの話はもうやめよう!』
長義君は、えっ?と声をあげ顔をあげた
長義「主はその…怒ってないのか?」
『えっ?怒る?何で?』
長義「俺があいつらの…」
『ぁあ!それね?広君も南泉君も、もう怒ってないから私も怒る必要ないじゃん?ね?』
長義「そうか…」
長義君はどこかホッとしているようだった
すると大包平さんが私の手を離し長義君の所へ行くと、彼の肩を抱き二人で私に背を向けなにやらコソコソと話出した
『ねぇ鶯丸さん、大包平さん長義君と何話してるのかな?』
鶯丸「さぁな?」
話が終わった二人が振り返り長義君が私の前に来ると
長義「主、その…仲直りと言うか、これから宜しく頼む」
そして手を差し出され、嬉しくなった私は、うん!こちらこそ宜しくね?とその手を握った途端に強く引き寄せられ長義君に抱きしめられていた
『えっ?長義君!?』
長義「今夜は俺の腕の中で可愛く啼け」
突然耳元で囁かれた悪魔の囁きに一瞬フリーズするが、すぐに正気を取り戻すと
『なっ!やめろー!』
私は暴れて長義君の腕の中から抜け出した
長義「えっ?主!?」