第23章 いざ!出陣!【23】
私はクッキーが入ったカゴを抱えて鶯丸さんと大包平さんを探していた
『鶯丸さーん!大包平さんどこー?』
鶯丸「主?こっち!こっちー!」
鶯丸さんが遠くで手を振っているのを見つけはや歩きで向かった
大包平「はははっ、走らなくなったな?」
『うん!えらい?走って転んだらクッキーダメにしちゃうから』
鶯丸さんはえらいえらい、と頭を撫でてくれた
鶯丸「で?俺達に何か用か?」
「うん!とりあえずクッキーあーん』
カゴの中からひとつつまみ鶯丸さんの口へ近付けると、思いの外素直に食べてくれた
『ぉお!大包平さんもあーん』
大包平「あ、いや、俺は自分で食べる」
『何で?良いじゃん?はい、あーん』
大包平さんは顔をひきつらせながら私の手からクッキーを食べると口元を手で押え顔を背けた
『よぉーっし!餌付け完了!今食べたクッキーには私の言う事を何でも聞いてくれるようになる魔法がかけられてるからよろしくね?』
大包平「何を企んでいる?」
『企んでないよ?長義君の所行くから一緒に来て?』
鶯丸「出たな?ビビリー」
『だって!』
鶯丸「素直に言えばいいものを、遠回しに下手な芝居までして、魔法がかかったクッキーとは…」
大包平「しかし、何で俺達なんだ?」
『小竜君が来た時みたいに何か上手く乗りきれる様な気がして…験担ぎ的な?もしくはこれぞ本物の神頼み!ってやつ?』
鶯丸「イヤだと言ったら?」
『え~…それなら、髭切さんと膝丸さんとにっかりさんにお願いするもん!』
髭切「ん?僕に何かお願い事?」
ちょうど私達の後ろを通りかかった時に話が聞こえたようで、私の肩に手を乗せ顔を覗き込んできた
『ゎあ!髭切さん!?』
髭切「主、僕にもそのクッキーあーんして欲しいな」
『へっ?あっ!はい、あーん』
嬉しそうにクッキーを食べる髭切さんを見て膝丸さんは
膝丸「兄者…」
髭切「ところで、お願い事って何かな?」
『実はね、長義君に喧嘩売って逃げて来たから…仲直りしなきゃと思ってて…』
大包平「事の発端はそれか!?」
鶯丸「喧嘩売って逃げて来たから恐くてビビってるって事か…話が繋がったな」
髭切「じゃあ僕が彼を斬ってあげるよ?」
『やめて!?』