第21章 いざ!出陣!【21】
次郎ちゃんにソロリソロリと近付いて行くと、次郎ちゃんが抱えていた壺を近くのテーブルに置いた
それから私を見ると怪しく微笑んだ
『次郎ちゃん何で壺置くの!?その笑顔も怖いよ!?』
次郎「あんたひどいじゃないのさ!とりあえずアタシの加護もつけてあげるよ!」
次郎ちゃんは私の腕を掴み引寄せると抱きしめた
『ぅわあ!次郎ちゃん!?』
次郎ちゃんの腕の中から見上げると額にチュッとキスされた
次郎「よぉーっし!これで完璧!」
『何が完璧なのさ!?』
すると次郎ちゃんは体を離すと私の肩に手を置き目線を合わせるようにかがんだ
次郎「この後の厄介共は全員がアタシだと思って覚悟して行きな!まぁ、アタシがツバつけたから変な虫はつかないだろうけどね!」
『何の覚悟!?にしても次郎ちゃんのツバ…複雑だよ…』
太郎「それなら私のもつけておきましょう」
『はいっ!?』
太郎さんの発言に驚き振り返ろうとする前に後ろから太郎さんが抱き付き後ろ頭にチュッとキスされた
『太郎さん!?』
首だけで振り返り太郎さんを見上げると優しく微笑んでいた
太郎「後ろには私のツバをつけておきましたから、これで大丈夫でしょう」
『おぉ…なんというか…これもまた複雑…でも、ありがとう!嬉しいよ!』
太郎「それは良かったです」
そうして太郎さんから解放してもらった
巴「あまり無理はするな、何かあったら呼べ、すぐに駆け付ける」
『うん!ありがとう!そうさせてもらうね?』
千代「皆、主が好きなんだな」
『私も皆が好きだぁ~!キラッキラのハイスペック集団!』
千代「ハイスペック?」
『うん!皆、可愛いし!格好いいし!時々変態だけど強いし!怖い時もあるけど優しいし!身の危険を感じる危ない姿がかいまみえる事もあるけど良い人達なの!』
千代「………」
巴「誰の事を言っているんだ?」
石切丸「私にはわからないよ…」
次郎「兄貴、アタシは悪口の方にあてはまっている気がするよ…」
太郎「否定はしませんよ」
次郎「兄貴ぃ~」
そうして私は言いたい事を言って酒樽を押してそこを離れた