第21章 いざ!出陣!【21】
長谷部「主、少しよろしいですか?」
『ん?』
振り返るとそこにはグラスを2つ持った長谷部さんが立っていた
長谷部「今、皆に飲み物を配っていますので、それが終わり次第、挨拶と乾杯の音頭をお願いします」
『ぅえ~またそれ~?皆の前で挨拶とか苦手なのに…』
長谷部「回数を重ねていけば慣れてきますよ」
『そうだと良いんだけど…また音頭が終るまで一緒にいてくれる?』
長谷部「主命とあらば!勿論喜んで!」
『でた主命…』
そうしている内に皆に飲み物が行き渡り、皆、私の挨拶を待っていた
長谷部「主、皆準備が整いましたので挨拶を」
『う~イヤだけど仕方ない』
私は石切丸さんから立ち上がると長谷部さんからグラスを受け取り、そのまま廊下に立ち庭にいる皆を見てみた
『おぅ…こっ、こんなに大勢…何人いるの?…よしっ!数えるの面倒だから、皆順番に番号!』
皆「いちっ!」
愛染「俺1番がいい!」
蛍丸「ダメ!1番は俺!」
明石「二人とも喧嘩はあきまへん。て事で1番は自分がもらいます」
愛染・蛍丸「何でだよ!」
三日月「最も美しい俺がやっぱり1番だろう?」
子烏丸「この父が1番に相応しいであろう?」
一期「各個撃破と洒落こみますか」
薬研「いち兄!刀を抜こうとしないでくれ!」
信濃「いち兄!洒落こむ所が違うから!」
皆で1番の取り合いが始まった
『一期さん危なすぎる…それより皆、止めなきゃ!』
そして大きく息を吸って叫んだ
『静かにしろー!』
ピタッ
シーン…
一斉に皆が私の方へ振り返り静かになった
『うっ!ごっごめんなさい!』
ソロリと後退りするとパシリと手を長谷部さんに掴まれた
長谷部「主、逃げないで下さい」
『ひぃぃぃぃ!だって!皆に怒られるぅー!』
長谷部「こんな事くらいで誰も怒りませんよ、しっかりして下さい?俺がいますから」
『余計に不安だよ…』
長谷部「主!?」
皆「あはははは!」
加州「主、不安なら俺達が一緒にいてあげるよ?」
息子達が私に駆け寄ると安定は長谷部さんを突飛ばし二人は手を握ってくれた
長谷部「お前ら!」
『二人ともありがとね?』
加州・大和守「うん!」
長谷部「主…」