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Baby blue【気象系BL】

第19章 冷酷な真実に…




夜…並んで敷かれた布団に入ったけど、
俺はなかなか寝付けなかった


分からないんだ…

どうしたらいいのか?

母さんを許したとして。
これからの親子関係が、今までと変わっていったとして。

現に今、こうして二人っきりで並んで寝ている。

少し前にはあり得ない事だ。

こんな風に、俺が…俺に対する母さんが変わったなら、

その先には、俺はどうなるんだろう?


先生は言った。

『治療が進んでいけば、その先には統合があるかもしれないし、ないかもしれない。
あくまでも、治療の目的は、心の安定にある』と…

「でも先生、心が安定したら、ひとつの身体の中に、ふたりがいる必要は無くなりますよね?」

『それが目標ではありませんよ。
だけど、結果、そうなることも考えられます
それは、本人が決めることですから…』


………本人が決める…
それは、俺じゃなくて…Jが…

Jが決めること…

俺には……俺にはどうすることも、できない…


でも……

J……

俺たち…どうなる?

この先、俺たち、どんな明日が待ってる?

統合して、普通の人と変わらなくなる
その方がいいって分かってる。

ふたりがいるなんて、異常だから。

でも……俺……


眠れないから、ベランダに出た。


「もしもし…翔くん」
『潤、どうしたの?こんな時間に』
「うん…」

気が付いたら翔くんに電話していた

声が……翔くんの声が聞きたくて…


『…潤…?』

「………」

『旨いもん食い過ぎて、眠れないんだろう~』

「翔くん…しょう、くん……」

『帰ったら、家に来いよ』

「…ん」

『お土産、温泉饅頭でいいよ』


俺が泣いてるのが分かっても、
翔くんは何も聞いてこない…

そんな翔くんの優しさが胸に染みて…

俺は、携帯を握りしめて、
いつまでも泣いていた。

翔くんも、何も言わずにつき合ってくれた。

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