第41章 ノミの先輩と隠れる後輩
…
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「計画?お前さっきから…仲間になりに来たんだよな?」
ホコリっぽく薄暗い、
闇深き場所。
男達の会合は、そこで行われていた。
凶悪な組織の長二人、顔を合わせて言葉を交わす。ヒーローがこのことを知れば、きっと泡を吹くだろう。
「計画のない目標は妄想と言う。妄想をプレゼンされてもこっちが困る。」
片方の男が、地を這うように低い声を発す。
オールフォーワン、オールマイト
どちらも無き今、日向も日陰も支配者も居ない。
酷薄さを感じさせる細い眼つきに、一番目に付く赤いペストマスク。近寄り難いを体現したような彼は、細い目付きをそのまま正面の男へ向けた。
「勢力を増やしてどうする?そもそもどう操っていく?どういう組織図を目指してる?」
彼の言葉は、ほかの者の口を挟むことを許さなかった。
「ヒーロー殺しステインをはじめ、快楽殺人のマスキュラー、脱獄死刑囚ムーンフィッシュ、そして敵化能力を持つ、安藤ひよこ。」
ここには場違いな名前に、男の、掌の向こうの眉がピクリと動く。
「なんだよ知ってたのか。アイツのこと。」
「お前らより先に目をつけてた。折角の良い個性だったのに、お前らのような小物が喰い付き、喰らい尽くすとは。」
「は?」
「使い方が分からなかったか?」
男は煽り文句をつらつらと垂れ流し、二つの勢力の溝を徐々に広げていく。
「コントロールできない力を集めて何になる。」
ピキっ
「俺には計画がある。」
バキッ
「俺の傘下に入れ。」
パキッ
「お前達を使って見せよう。」
メキッ
「そして俺が次の支配者になる。」
その言葉で、溝は完全に
「帰れ。」
ボスはそう、一言。
「ごめんね、極道くん。私たち誰かの下につく為に集まってるんじゃないの。」
ボスの次に声を上げたのは、彼女(彼)。
彼女の決意は強く、
彼女は決意を貫くために磁石を男に振るった。
「何にも縛られずに生きたくてここに居る。私たちの居場所は私たちが決めるわ!!」
彼女は彼を大きく殴った。
のに、
彼女は弾け飛んだ。
彼が触れた瞬間だった。
「先に手を出したのはお前らだ。」
血を拭いながらそう告げる彼の瞳には、
強い拒絶と、強い決意が果てしなく
二つの闇は水と油の様に
動き始めた