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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第23章 呪われ


Side切島鋭児郎


補習を終え、んーとひとつ伸びをしたら、骨がバキバキっと悲鳴をあげた。


なんか、補習の間にもいろんなことがあって集中もクソも無かったなぁとぼーっと頬ずえをつく。


ねみぃだとか、だりぃだとか色んな声がする中で、安藤はふらりと一番に教室から出ていった。


ぼーっとする頭と身体に鞭を打ち、その小さな背中を追う。


林間合宿に来てからというもの、無理をしているのが目立って、心配だった。話しかければ笑い返してくれるが、それが逆に心配を助長させていた。


夕飯も誘ったのに、途中でふらりといなくなったし。


頑張る彼女を見れば見るほど心の重さは大きくなるんだ。


安藤は外に行ったようだ。外に向かって綺麗に並べられた1組のスリッパを見て、心が泡立った。ぶわわわと不安がこみ上げてくる。


星空の下、ぽつんと立っている安藤にわざと明るく声をかける。


「よお!疲れたよな、眠くねぇ?さっき男どもで腕ずも…う……」
「……。」


不安になってその横顔を除くと、見たこともないような安藤の顔がそこにはあった。


長いまつげが街灯の光から影を作る。鼻筋はすっと通っていて、瞳は真っ黒で大きくて、どこまでも吸い込まれてしまいそうだ。


可愛い系。そうだ。
安藤は10割10分10厘可愛い系。


でも今は、知らない人のように見えて。


ずっとずっと遠くにいるような。いや、安藤だけ違う世界、違う次元いるような気さえする。


知らない安藤に、不安はとめどなく溢れた。


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