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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第13章 Always thinking unto them.



Side切島鋭児郎


「それでさー、峰田のやつなんて言ったと思う?あいつさ……っておい、聞いてる?」
「んー……。」


上鳴と瀬呂と話していたら、上鳴に怒られた。最近お前は話を全然聞かない…と。


「おいってば!ったくー!まーた見てるよ。」
「すっーーーっげぇ見てるよな!安藤のこと!!」
「へ!?あっ?はぁ!?そ、そんな、見てねぇよ!!」


図星をつかれてはっとした。思わず言い返しちゃったけど……男なら、『あぁ!見てるね!凝視!!』…とでも言うのか…?流石に無理だろ……。


「見てるよ!なぁ。」
「あぁ、安藤に穴が開くんじゃないかと思うくらいな。」
「まじか!」


この間の、あの事件。あの、特訓のせい。あの事件のせいで俺は、安藤を好きになってしまっていた。


「でも、最近さ、見てるだけだよな。好きだって自覚し始めたくらいからか?」
「あー、あんま話しかけなくなったしな。」


見てる…だけ……か……。


ヒーロー殺しの事件のこと、どこかからか聞いた。安藤は、飯田を守るために身一つでヒーロー殺しの前に飛び出したそうだ。勝つ見込みなんて一欠片もなかったろうに。


……なんだそれ、超かっこいいじゃねぇか。


そのせいで安藤がものすごく遠い存在になったように感じて。安藤がどんどん俺の憧れに近づいているようでなぜだか少し、苦しかった。


でも、時折見せる緩い笑顔や、困った顔。真っ直ぐなところ、どんな奴にも優しいところ、素直で頑張り屋なところ。


ぜんぶが好きだった。


なんでこんなに、こじらせちまったかな……。

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