第9章 日常
駿君を連れて3人でラウンジで一息着いていた。
4人席のテーブルに僕の隣に悠一が座って、向かいの椅子に駿君が座る。
悠一の「なんか家族みたいだなぁ」という一言に、駿君が「俺が迅さんと明希ちゃん先輩の子供になるの?」と言った時は飲んでいたココアで噎せてしまった。
駿君は悪くない。悠一が悪い。悠一が僕の背中を摩る。
僕「急に何を言い出すの悠一…!」
苦しさで涙目になりながら悠一を睨むと、悠一の摩る手が一瞬止まる。
摩っていた手を引っ込め、顔を覆う。
僕「悠一?」
迅「...それ、他所ですんなよ?///」
僕「何を?」
心底わからん。駿君もポカーンとしてるよ。
悠一の耳が赤くなっている。今度は悠一が熱出たの?
取り敢えず、駿君に声を掛けて意識を戻し、「悠一がごめんね」と謝る。
すると後からいきなり目隠しをされ、聞き覚えのある可愛い声で「だーれだ?」と問われる。
一瞬誰だか分からなかったが、先程の可愛い声とほんのり香る甘い匂いで誰かわかった。
僕「瑠依?」
小「ピンポーン♪」
目隠しの手をそのまま肩の辺りにまで降ろして、瑠依がギュッと抱き着く。
僕「瑠依久し振りだね。瑠依もボーダー隊員だったの?」
小「そうだよ〜。オペレーターやってるんだ〜」
僕「あぁ、あれか〜。ちなみに何処の?」
小「諏訪隊〜。隊長の諏訪さんが面白いんだよ」
僕「そうなんだ。瑠依が面白いって言うなら会ってみたいな」
小「隣のテーブルで会議する予定だから、もうすぐ来ると思うよ。それよりさー」
どうしたの?と声を掛けると瑠依は「迅さん何してんの?」と言った。
悠一の方を見ると、こっちにスマホを向けて写真を撮っていた。何やってるんだ。
瑠依が「無断撮影はんたーい」と言うのと同時に「迅」と瑠依の上の方から声がした。
誰かと思い見上げると、金髪で咥え煙草の男性がいた。
金髪「何、美人とうちのオペレーターのツーショット撮ってんだよ」
小「諏訪さんが美人とか似合わなーい」
諏訪「うっせぇ。実際美人じゃねーか」
何なんだこの人は。何恥ずかしげもなく、サラッとそんなことを言うんだ。
僕は恥ずかしくて下を向く。
迅「諏訪さんも、うちの明希を誑かすの止めてくださーい」
そう言って悠一が僕の腕を引っ張って抱き寄せた。
僕「ちょ、悠一!?」
小「明希と迅さんってそういう関係?」
僕「違う!///」
