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# 3104【気象系】

第6章 # FFC0CB








誰も居なくなったリビングで一人、もう一本だけ…と冷蔵庫からビールを取り出した
ついさっきまで賑やかだったのがまるで嘘のように
耳を澄ませば波音が聞こえる程に静まり返ってる

今日は衝撃的な事があり過ぎた
実の弟と再会した事、
その弟に男の恋人がいた事。





「15年、だもんな」





おぎゃあと産まれた赤ん坊が必死で受験勉強する位の、あの日家を飛び出した僕がアラサーの域に達する位の年月が経ってんだもんな…
それだけ時が流れていれば、驚くような変化や想像を超えるような現実があっても不思議じゃない


「あのカズが、な…」


見た目はあまり変わらないけど、雰囲気や中身は随分変わったと思う
こういうのって感慨深い、って言うんだろうか
苦労とか、したのかも知れない
なにせ、あの母さんを押し付けて自分だけ逃げて来てしまったのだから


ビールを飲み終えると、缶専用のバケツのゴミ箱にポイッと投げ捨てた

明後日には二人は帰ってしまう
せっかく四国まで来てくれたんだ、何か楽しい思い出を作ってやりたい
いや、それを望んでるのは他でもない僕自身なのかも知れない。

だってこんなにもワクワクしてしてる
久しぶりの感情だ。
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