愛慾の鎖ーInvisible chainー【気象系BL】
第6章 籠鳥恋雲
膝立ちで足を震わせながら、そこに快楽を掻き集めようとする姿を背後から眺める。
「はぁっ‥ん‥はっ、ああ‥」
薄い月明かりが微妙な印影を作り出し、肌の白さが一際目立つ。
「気持ちいいか‥?」
「‥は、い‥‥」
目を閉じて、無心にそこに指を絡める男の息づかいが熱を帯び始め、双丘の間に埋めた指を少しずつ動かしだしていた。
淫楽の中に漂いはじめた身体は、もう放っておいても、そこから抜け出すことはできないだろう。
俺は掴んでいた手を離して前に立つと、気配を感じて見上げた唇に欲望の滾りを当てる。
「‥これが欲しいか?その淫乱な孔に。」
「下さい‥ぼくの、なかに‥‥」
濡れた睫毛を震わせ、滴る欲望の雫で赤い唇に艶をのせながらそう囁くと、ちろりと覗かせた舌で雫を舐めとった。
「慣れたもんだな。これがお前には御誂え向きだということか。」
嘲りを浴びせられても手淫を止めることなく、見上げる目は情慾の焔を大きく燃え上がらせ‥
薄く開いた唇に先端を包まれた俺は、後ろ髪を掴み喉の奥めがけて欲望を咥え込ませた。
「んぐっ‥んっ‥っ‥んん‥」
「しっかり濡らせよ。自分の為だ。」
俺は涙で揺れる目を見ながら、自分の欲望に絡みつく舌が巧みに這いまわるのを感じる。
ぬるりと唾液を纏わせながら口いっぱいにものを咥え、唇の端からは光る雫を垂れ流す様子が堪らなく淫靡に見えた。
静寂の中に苦しげな息づかいと、体液が混ざりあう水音だけが響いていた。
充分に濡れた滾りを引き抜いた俺は、掴んだ髪を更に引き
「どれだけの声で啼けるか‥聞かせてもらうとしよう。」
そう告げると、埋めていた指を取り腰を掴むと、男の唾液と欲望の雫に濡れたものを、ひと挿しにする。
「ああっ、ん‥はぁっん‥‥っ」
貫かれた細い腰は震え、自由になった片手が、前のめりに倒れた身体をどうにか支えた。
「これでは啼けないか‥ん?」
きつく締めつけて動かしにくい孔を押し開くように腰を捩じ込む。
「き‥つい‥っ‥んっ‥突いて、突いて‥下さいっ‥」
荒く乱れる息の合間に強請りながら、自分のものを弄んでいた手についていたものを結合部に塗りつけると、俺の欲望を誘うように腰を揺らしてみせた。