第1章 始まり
私今、急いでいます
何故かって?
電車、遅れそうなんです
今日は大手企業の
就職試験。
遅れるわけには
いかない
~♪
発車するときの
音楽が流れるのが聞こえてきて
階段をのぼりきった
わたしの目の前で
扉は閉まった
……オワッタ
私が泣きそうになっていると
「あちゃー、行っちゃった」
私の隣に
呑気な声の"同じ穴のムジナ"さんが、
仕方なく次の電車を
待つことにした。
すると、
先程のムジナさんが
「君も電車間に合わなかったの?」
と声をかけてくれた。
私は少し驚いて
『あ、はい。そうなんです。
今日結構大事な日なのに
ほんとまぬけです。
あなたも?』
恥ずかしいので
俯いたまま
質問を返してみた。
「あー、うんまぁね;;」