第3章 距離【沖田side】
翌日
『ん……あっ!!』
授業中、突然吉野が声を出した為、俺はうつ伏せていた顔を上げた
『土方、ノートみせっ…!』
「スー …」
隣の席で眠る土方を見つめ吉野は少し頬を染めながら、そっと土方の髪に触れようと手を伸ばす
がしっ
「先生ー吉野さんが土方の寝込みを襲おうとしてました」
『な!ち、違います先生!もう沖田のバカ!』
「んあ?俺がどうかしたのか?」
『ち、違うからね土方!』
「は、何が?」
「……」
「…」
※回想
『先生、心配かけちゃってすいません。まさか車に跳ねられるなんて』
「まあ、何はともあれ無事で良かったわ。いつ頃退院できるんだ?」
『1週間後らしいです。退院したらすぐ学校行きますね!』
「ああ、でもあんま無理すんなよ。また沖田にアタックすんだろ?」
『え?やだな、何で私が沖田にアタックするんですか?』
「!!」
- 彼女は…事故で一部記憶を失っている可能性があります -
「お前…」