• テキストサイズ

空回り【銀魂】

第14章 片想いに終止符を


もうかれこれ20分くらい経ってるけど、沖田と美々ちゃんが戻ってくる様子は全くない


ひ、ひょっとして!

『もう二人は恋人同士になっちゃってるんじゃ!?』

そう言って口から魂が抜けていくのを土方が押さえながら言った

「落ちつけ吉野、きっと総悟は山本にキスの件について説得してんだよ」

『説得?』

「断るにしたってソフトに言わねェと後から気まずくなんだろ?」


断る…そっか。
それでこんな時間かかってるんだ…。


真面目だなぁ沖田!
ますます惚れ直すよ!!

土方から何やら冷めた視線感じるけど気にせず一人で感心していると突然頬に冷たい雫が落ちてきた

『わ、雨だ…』

「体育祭終わってからでよかったな」

『そうだね』


「明日…大丈夫かしら」

ミツバさんが雨雲の空を見上げながら言った

『明日何かあるんですか?』


「ええ、明日の夜すぐそこの公園で花火大会があるのよ」


花火大会!!?


『ほ、ほんとですか!?知らなかった!』

「去年は雨だったから中止だったの…今年はどうかしらね」

『きっと晴れますよ!』

そう言うとミツバさんは目を細めて"そうね"と言って笑った


「そうだわ…そのと、十四郎さんは明日空いてるかしら?」

「…なんだよ」

「よ、よかったらその…花火大会一緒にどうですか?」

「…暇だったらな」

そんな会話をする二人の顔は真っ赤で思わず私まで赤くなってしまった


よし!私も沖田誘ってみようかな。


そんなことを考えていると沖田と美々ちゃんが体育館裏から戻ってきた

『あ、沖田!!』

沖田に向かって手を振ると彼は少しバツが悪そうな顔をして私から視線を逸らした

美々ちゃんは沖田に"またね"と言って教室に戻って行った

その顔はほんのり赤くて…


ま、まさか!


『…ちゅーした?』

「してねぇよ!!」

『イダッ!』

バシッと頭を叩かれた


『どうしたの?』

「お前には関係ねェ、いいからさっさとその砂まみれの顔洗って来やがれ」

そう言って私の顔を指さして沖田も教室に戻って行った



『さっきまでの優しい沖田はどこに行ったの?』


「あれがいつもの総悟だろ」


そんな土方の言葉をよそに私はただただ沖田の背中を見つめることしか出来なかった
/ 234ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp