第14章 片想いに終止符を
【沖田side】
体育館裏まで来た俺と山本は傍の階段に腰を下ろした
さっきからソワソワした様子の彼女は顔を真っ赤にして俺を見つめる
「あ、あの…」
「銀八はあんなこと言ってたが、俺ァあんたとキスする気はねぇ」
「えっ」
俺の言葉に彼女は目を見開いた
やべ、もしかして泣いたりすんのか?
ここで泣かれたらたまったもんじゃねェや。
「ほら、あんただって好きでもねェ男とキスなんて嫌だろィ?アイツらにはキスしたってことにしといたら良いんじゃねーかィ?だから…」
言い終える前に山本は顔を近づけ迫ってきた
「ひょっとして気を遣ってくれてるの?私なら大丈夫よ!」
いや俺が大丈夫じゃねぇ!!!
彼女はその辺の女よりメンタルだけは強いみてェだ
そういえばこの前土方さんが言ってた…
"テメェにその気がねェならはっきり言え。余計な気遣いがかえって相手を傷つけたりするんだよ"
チッ、偉そうに言いやがって。
大体そう言って1度失敗した奴がいんじゃねーか(俺)。
まぁ、…今はちょっと後悔してっけど
って吉野のことはどうでもいいんでィ今は!
一瞬頭に浮かんだバカ女の顔を振り払って山本を見ると彼女は上目遣いで俺を見つめていた
「お、沖田くん…もう気づいてるかもしれないけど、その…私…沖田くんが好きなの!!」
再び土方さんの言葉を思い出した
やっぱ…はっきり言ったほうがいいよな。
「山本、俺…あんたの気持ちには答えられねェ」
あいつのときは例外だ…。
「…」
「あんたのことは、嫌いじゃねェけど…クラスメイト以上には見れねェんでィ…。」
「うん…何となくそうかなって思ってた」
少し残念そうに眉を下げる彼女に少し胸が痛んだ
こんな気持ちになるのもきっと現に俺にも好きな奴がいるから
「やっぱ桜ちゃんかぁ…」
「わりィ………
え?」
山本は俺の目を見て微笑んだ
「桜ちゃんが好きなんでしょ?」
「な!」
何で知ってんだこいつ!!
「あ、今何で知ってんだこいつって思ったでしょ?だって沖田くんすっごくわかりやすいんだもの!」
そう言って笑う山本を見てどっと全身に嫌な汗を掻いた
結局俺は、また失敗してんじゃねーか!