第9章 勉強会
『…沖、田…?』
真剣な彼の表情から目が逸らせない
沖田は私の腕を掴むとぎゅっと握りしめた
「俺は…」
『え?』
何、どうしたの沖田
よほど言いにくいことなのか、彼の眉間にはどんどん皺が寄っていく
くしゃくしゃと頭を掻きながら真っ赤に染まっていく彼の頬
そしてそのままスッと私の頬に触れる
「俺…」
『ッ!?』
「俺はっ…!」
そのとき突然キッチンからプシューという音が聞こえてきた
『あっ!!!鍋にお湯湧かしてたんだった』
急いでキッチンへ向かい火を消す
『ごめんごめん、沖田!えっとなんだっけ?』
「空気読めよ…バカ」
沖田は溜息をついて再び机に伏せた
あれ…結局なんだったの?
それからの沖田は何だか少し拗ねた様子で、だけどちゃんと数学の勉強は教えてくれた
「だから何でわかんないんでィ!ここの公式に当てはめて計算すりゃいいって言ってんだろーが」
『ええ?えっと…これをここ?』
バシッ
「全然ちげぇよ!もう一回やり直しなせェ!!」
『ええええ!!』
かなりのスパルタだった
『で、できた!こ、これ合ってるでしょ?』
「…正解」
『よかったぁ…』
「んじゃあ今やったところとその前の10問解き直しな」
『はぁああああ!!!?』
とりあえず、もう沖田に勉強教えてもらうのはやめよう。