第16章 ドライバー編(原作沿い)
「澪くんに折り入って話がある…。
いいな、トシ。」
「あぁ。」
二人の真剣な眼差しに俺は頷くしかなかった。
「………ど、ドライバーとして
…生きていく?」
俺が聞き返すと副長が頷いた。
「あぁ。もう奴等の情報もねェ。
元に戻す方法も見つからねェ。
………潮時だ。」
「で、ですが!」
「オフ会だって万事屋の旦那達と
桂だけだぜ?しかもお互いロクな
情報持ってなかったんでねィ。
今回も無駄足だったぜ。」
「………そう、かもしれませんが、
まだ手はある筈です。希望はまだあります…」
「あぁん?真選組でちゃんと
人間やってるテメェに何が分かる?
俺達は…もう疲れたんだよ、こんな生活に…
ドライバーという運命に抗う生活にな。」
オフ会で何があったのかは分からないが、
彼らはついに心が折れてしまったらしい。
俺がどんなに励まそうとしても
彼らの何もかも諦めたどす黒い闇の感情から
発せられる言葉に全て打ち砕かれてしまう。
「きょ、局長も何か言ってください!」
「………ごめんな、澪くん。
俺も、プラス姫とのお見合いがあるから……」
「………………………。」
それは副長と沖田隊長だけじゃない、
局長もそうだった。
俺は掛ける言葉も失くして黙ってしまう。
どうすれば、どうすればいい?
どうすれば皆を引き止められるのだろう?
頭を何度も回転させようと必死に
案を浮かべるが、
浮かんですぐに消えてしまう。
「………そこで、考えたんだが。」
俺が黙っていると局長が口を開く。
「澪くん、
真選組局長を君に任せようと思う。」