第18章 最期の時間
キーン・・・と耳鳴りがした。
「え?」
リオは何かを感じ、振り返る。
特に、変わった様子は無い、いつもの街。
けれど、
「ねー、さっきの結構揺れたよね!」
「怖かったね!震度何あったんだろう」
すれ違う女子高生たちが話すのが聞こえる。
(地震・・・?)
嫌な予感がした。
その時・・・
「あつっ」
リオはポケットの中で、何かが熱くなるのを感じた。
慌ててそれを取り出すと、それは・・・
「時計が・・・」
及川の死を示す腕時計だった。
それが眩しいくらいの光を放っている。
(なに、一体なんなの・・・?)
こんなこと、今まで無かった。
突然の出来事に体が固まっていると、あろう事か、その腕時計は、光とともに、消えてしまった・・・
「消、えた・・・・・・?」
どういうこと・・・?
リオは、ばっと、先ほどまでいたライブハウスを向いた。
「徹くん・・・ミオ・・・っ!?」