第15章 願えるなら僕は
初めてあったのは、俺が小2の時だっけ・・・?
ジュニアチームに入った時、隣の女子のチームにミオはいた。
小学校の体育館の、跳び箱の上に座って、ずっと見学してた。
なんでやんないの?って聞いたら、体が弱くて、まだバレーができるようになるまで時間がかかるんだって。
それから一年経って、ミオはバレーができるようになっていた。
ボールの扱い、全然下手くそだったけど、初めて運動する事が嬉しいみたいで、年上なのに、凄く、凄く可愛かった。
いつも隣で練習してたから、自然と話すようになって、一緒に遊んで、バレーして、一緒に大きくなった。
姉のリオとも仲良かったけど、ミオの方が、なんて言うんだろ、危なっかしくてほっとけなかったから、よく世話を焼いていた。
中学はバレーの強い所に行きたくて、北川第一を選んだ。
でも、ミオと会える事が少なくなるのが嫌で、自然と会える理由を作るために、ミオに告白した。
驚いてたな、ミオ。
だって今まで幼なじみで、弟みたいな奴がいきなり好きだって言ってきたんだし。
それでも受け入れてくれたミオ。嬉しかった。
でも、中一から付き合い出して、高二には別れた。
好きじゃなくなったとかじゃなくて、お互い、別れても幼なじみで、大切なことには変わりないし、別に付き合ってなくてもいいんじゃないかなって思ったから。
それから、リオの事とかあって、たまに会ってたけど・・・
昨日久しぶりに会ったミオは・・・なんか、
綺麗になってた。
女は恋すると綺麗になるとか、言うやつがいたけど本当にその通りかもしれない。
いちいち仕草が可愛いし、照れてる顔とか、笑顔とか、泣き顔までも、女の顔をしているミオ。
俺にはこんな顔させられなかったな・・・
きっと及川さんだから、できたんだなって、
絶対に言わないけど思ってた。
ミオが及川さんに惚れてるのはわかったし、及川さんも同じ気持ちだってのもわかった。
だけど及川さんは言った。
"俺が死んだら・・・ミオのことを支えて欲しい"
大切な人だから、言ったんだと思う。