第6章 海常高校と練習試合
止まる気配を見せないそれに戸惑いながら、黄瀬は頬を伝い落ちる涙をぬぐう
「黄瀬泣いてねぇ?」
「悔しいのは分かっけど、練習試合だろたかが……」
はそう言った観客を真っ直ぐに見つめ、そして──…
『よく「たかが」なんて言えたな?涼太にとって…この試合は、決して「たかが」って呼べるものじゃない!!海常さん逹にとっても!!私達誠凛にとってもな!涼太は初めて試合で負けて悔しさを知ったんだよ!!それが、涼太をより強くさせるバネになるんだ!!だから、「たかが」なんて言葉で簡単に片付けなんな!!それに「たかが」なんて言うんだから、お前ら私達…いや、私と勝負でもするか?」