第2章 名刺
「両親が死んで…
遺産とか…この家に目が眩んだ親戚が私を厄介者として…この家から追い出そうとしているんです…
でも私まだ17歳だから…行く当てもないし……」
そう…
結局私の事を引き取ってくれる親戚は現れなかった。
「行く当てないのか…」
「はい……」
「アンタ…なかなか辛い想いしてんだね。同情はする」
(だよね…同情は出来ても…助けてはくれないよね…当たり前か…)
「……そーだ……
妖怪界へ人間の生娘を召喚するツアーのポスターが、
何処かの路地裏に貼り出される頃だよ。」
「へ?」
「今頃だった気がするけど……」
「なんですか…その…いかにも怪しい……(-_-;)」
「近年…妖怪も個体数が減ってきていてね、
このままではいけないと"子"を孕むだけの人間の若い女を定期的に
募集しているんだよ。」
「…孕むだけの(´⊙ω⊙`)!?……」
「 (´⊙ω⊙`) 」
「 (´⊙ω⊙`)…じゃないですよ……
私…行き場が無くても…そんな所へは絶対に行きたくないです…」
「…そう。」
「………」
「悪りぃ…俺、そろそろ行かないと…
頑張って生きなよ、アンタ。」