第1章 自殺
「アンタは本当は死にたくないんだね。
死に場所を求めて山中を彷徨っていたのに…
その反射的な手の動きが本当の君の気持ちを教えてくれてる。」
「 !? 」
(なんで私が自殺しに来たって知ってるの!?)
「今なら…まだやり直せるよ。
ほら…君の足…まだ温かいじゃないか…大丈夫大丈夫…」
クロウさんは私の耳元で囁くように語り続けながら、
私の足をひんやりとした手で撫でる。
「でも……わたし……
死にたいんです…辛くて辛くて…死にたいんです…」
ヴァンパイアと名乗る訳のわからない人に、
私はすがりつき泣き始めてしまった。
「ッ……ッ………」