第20章 夜の山の管理人〜日記1〜
夜の闇の管理人…
そんな俺でも"これ以上は踏み超えられない域"がある。
〈キャッ、キャッキャッ♪
居穴の入り口に1人佇み、
奥から聞こえてくる2人の笑い声に耳を傾ける。
"ヒューーーーーッ"
「…さっそくか。」
山の中に相応しくない、
人工的な鋭い音が上空から居穴へと近づいてきている。
それは俺の力を持って跳ね返せないものではないけど
神の力には到底及びはしない。次がまた来るに違いない。
「……始末書…決定か………」
迫り来る冷淡な音…
大気の歪み……
残念だけど、鈴と綾の笑い声を胸に…
俺は瞬時に1キロ離れた木のてっぺんへテレポートした。