第3章 恋愛ごっこ【R18】
「ねぇ、月島くん聞いてる?」
「ん? なに?」
久しぶりに初めての時を思い出していた僕を隣の裸の女が現実へと呼び戻す。
「だからぁ、次! いつ空いてる?」
床に散らばった下着を付けながら訊ねて来る彼女。
「そうだね、もう飽きたし、次はいいかな?」
「は? なにそれ?」
ビンタ1発でことが済めば安いもんだ。
ヒリヒリとする頬を擦りながら、木枯らしの吹く寂れたアーケード街を一人歩く。
『別に女なんていくらでも居るから、僕よりいい男見つけなよ』
最後に告げるのはいつも同じ言葉。
だって事実でしょ?
火照った頬に当たる冷たい風が心地よい。